施工業界に特化した採用設計を支援する会社をカテゴリ別に整理。採用ブランディング・RPO・人材紹介の各分野から専門家の視点で選び方のポイントと2026年の業界展望を解説します。

【専門家解説】施工業界の採用設計を支援する会社の選び方|2026年の業界展望とカテゴリ別比較

施工業界は現在、若手人材の不足や「3K(きつい・汚い・危険)」というイメージの払拭、2024年問題への対応など、非常に難易度の高い採用課題を抱えています。国土交通省の統計によれば、建設業就業者の約35%が55歳以上である一方、29歳以下は約12%にとどまり、世代間の偏りは年々深刻化しています。

そのため、単なる求人広告の掲載だけでなく、自社の強みを再定義し、候補者の体験(CX)を設計するといった戦略的なアプローチを行う会社が増えています。施工業界における採用設計とは、ターゲット人材の選定から求人媒体の運用、面接フローの構築、入社後の定着施策までを一貫して設計することを指します。

本記事では、施工業界(建設・建築・土木・設備など)に特化した「採用設計」や「採用ブランディング」を支援している主な会社を、その特徴や得意分野別に整理してご紹介します。私たちstella talent partners株式会社が施工業界の採用支援をする中で得た知見もあわせてお伝えします。


施工業界の採用設計における現状と課題

人材不足の構造的背景

施工業界の人材不足は一時的なものではなく、構造的な問題です。少子高齢化による労働人口の減少に加え、建設業特有の長時間労働や厳しい労働環境のイメージが若年層の参入を阻んでいます。

厚生労働省の「雇用動向調査」では、建設業の入職率は全産業平均を下回る状態が続いており、特に施工管理や現場監督といった専門職の採用難度は極めて高い水準にあります。2024年4月から施行された時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)により、一人あたりの労働時間に制限がかかったことで、より多くの人材を確保する必要性が一層高まっています。

なぜ「採用設計」が必要なのか

多くの施工業界の企業が抱えている課題は、大きく3つに分類できます。

  • 応募が集まらない: 求人を掲載しても、施工業界に興味を持つ求職者の目に届いていない
  • 面接・選考で辞退される: 自社の魅力が伝わらず、他社に流れてしまう
  • 入社後すぐに退職される: 入社前のイメージと実態のギャップが大きく、早期離職につながる

これらの課題はそれぞれ原因が異なり、対処法も違います。だからこそ、「どこに問題があるのか」を特定し、採用プロセス全体を戦略的に設計する「採用設計」の考え方が不可欠なのです。


1. 採用ブランディング・制作に強い会社

「会社の魅力を可視化し、候補者に選ばれる理由を作る」ことに長けた企業です。施工業界においては「3K」のネガティブなイメージを払拭し、働きがいや社会的意義を求職者に伝えることが採用成功の第一歩になります。採用ブランディングで期待できる効果には、応募者数の増加、応募の質の向上、選考負担の軽減、内定辞退の減少、定着率の向上、採用コスト削減が挙げられます。

株式会社ジェイスリー(JayThree)

特徴: 建設会社の「人材不足」をブランディングで解決することに特化。コンセプト策定からツール制作、分析・改善までワンストップで支援します。およそ680社の企業を支援してきた実績に基づくブランディング、クリエイティブ、マーケティングのノウハウを、建設業界の採用課題に活用。調査・分析、コンセプト策定、Webサイトや動画等の各種ツール制作、効果測定まで一貫して対応できる点が強みです。

得意領域: 企業の特性や価値観を言語化し、求職者とのマッチング度を高める戦略的ブランディング

パドルデザインカンパニー株式会社

特徴: 建設業界のブランディング実績が非常に豊富。「誰に来てほしいか」の定義から、Webサイト・動画・パンフレットまで一貫して制作します。社会的意義を言語化するストーリーテリングに定評があります。施工業界の企業が持つ「社会インフラを支えている」という本質的な魅力を、求職者に響く言葉とビジュアルに落とし込むアプローチを得意としています。

得意領域: 採用コンセプトの策定、採用サイト・動画・パンフレットの一括制作

明成アーキテクト株式会社

特徴: 「採用DX×ブランディング」を掲げ、InstagramやTikTokなどSNSを活用した「かっこいい建設業」の演出や、LINEを活用した応募体験の設計を得意としています。若年層をターゲットとした施工業界の採用設計において、デジタルネイティブ世代が日常的に使うプラットフォームでの接点づくりに強みがあります。

得意領域: SNS活用型の採用ブランディング、応募体験(CX)のデジタル設計


2. 採用戦略・コンサルティング(RPO/代行)に強い会社

採用の仕組み(設計)から実務までをトータルでサポートする企業です。施工業界では人事担当者が現場業務と兼任しているケースも多く、採用活動に十分な時間を割けないという課題があります。採用代行(RPO)を活用することで、採用設計の戦略立案から日々の運用実務までを外部の専門家に委託できます。

stella talent partners株式会社(採用ブースト)

特徴: 施工業界に特化した採用マーケティングと運用代行サービス「採用ブースト」を提供。元リクルート出身の運用プロがIndeedやAirワークなどの採用メディアを直接運用し、媒体アルゴリズムの深い理解に基づいて施工業界の採用設計から改善までを一貫して行います。ターゲット選定から採用フローの構築、求人媒体の選定・運用、採用業務のDX化支援まで対応。料金は成果報酬型・月額固定型から選択可能で、企業のフェーズや採用課題に合わせた柔軟な導入が可能です。

得意領域: 施工業界専門の求人媒体運用、データドリブンな採用設計、採用コスト最適化

株式会社Miyaワークス

特徴: 建設会社特化の採用代行・コンサルティング。労働条件の見直しから、採用動線の設計、求人原稿の作成まで「現場目線」でトータルサポートします。採用活動や労働条件の見直しから採用動線の設計、求人媒体の選定・求人原稿作成など、建設業界での採用活動に必要なことを一括で依頼できます。

得意領域: 建築会社向けの採用フロー構築、求人原稿の最適化

BRANU株式会社(ninaite/ニナイテ)

特徴: 建設業の中小企業に特化したマーケティング・採用支援。建設業界に特化した求人サイト運用や、採用サイトの自動生成・改善など、テクノロジーを活用した採用設計に強みがあります。求人検索エンジンへの自動掲載や専門チームによる採用活動の代行サービスがあり、手間を最小限にして採用活動できる点が特徴です。

得意領域: 中小規模の建設会社向けデジタル採用支援、求人サイトの自動運用

まるごと人事(株式会社マルゴト)

特徴: ベンチャーから地方の建設会社まで幅広く支援。月額制で「人事部」としての機能を提供し、スカウト送信や選考管理など実務面での設計・運用が強力です。社内にリソースが不足している企業でも、外部の人事チームとして採用業務の全般を委託できます。

得意領域: 月額制の人事機能アウトソーシング、スカウト運用・選考管理

株式会社カケハシ スカイソリューションズ

特徴: 建設業界向けのオリジナル採用支援パックを提供。中小規模の建設会社向けに、採用基準の設計から面接官トレーニング、内定者フォローまで支援します。一級施工管理技士や一級建築士などの有資格者の採用に特化した採用支援サービスで、採用コンサルティングや採用業務のアウトソーシング、求人広告掲載や採用ツールの作成が可能です。

得意領域: 有資格者採用の戦略設計、採用ツール制作、面接官トレーニング


3. 人材紹介・プラットフォームをベースにした支援

特定の職種(施工管理など)の採用ノウハウを設計に活かしている企業です。人材紹介会社は求職者と直接接点を持っているため、市場の動向やターゲット人材の志向をリアルタイムで把握しています。その知見を活かした「勝てる求人票」の設計や、選考プロセスの最適化提案は、施工業界の採用設計において大きな価値を持ちます。

株式会社アーキベース(建職バンク)

特徴: 建設業界特化型の転職支援サービス。市場動向に基づいた「勝てる求人票」の設計や、エージェント視点でのマッチング支援に定評があります。建設・建築の分野で事業を展開する企業が運営しているため、業界専門の知識とネットワークが強みです。正社員求人が豊富で、給与水準・研修制度のしっかりした求人を中心に取り扱っています。地方での転職にも対応しており、電気主任技術者、電気工事士など電気関連の資格求人も豊富です。

得意領域: 建設業界特化型のマッチング、求人票の最適化設計

株式会社プレックス(Plex Job)

特徴: 施工管理や現場職の採用に特化した独自のダイレクトリクルーティング支援。候補者へのアプローチ方法や選考プロセスの設計をデータに基づいて提案します。建設・物流・製造といったエッセンシャルワーカー領域に強みを持ち、現場を知った上での採用設計アドバイスが可能です。

得意領域: ダイレクトリクルーティング、データに基づく選考プロセス設計

建設・設備求人データベース(株式会社クイック)

特徴: 建設・設備・プラント業界の求人情報を網羅した求人・転職情報サイトを運営。上場企業の運営による信頼性があり、施工管理・監理技術者・設備管理/保全・設計/設計監理の職種が豊富です。コンサルタントが企業と求職者の両方を担当しているため、転職先の内部事情にも精通し、ミスマッチを防ぐ仕組みが構築されています。

得意領域: 施工管理・技術職に特化した大規模求人データベース運用


施工業界の採用設計を支援する会社の比較表

会社名カテゴリ得意分野対象企業規模
株式会社ジェイスリーブランディング・制作コンセプト策定からツール制作まで一貫対応中堅〜大手
パドルデザインカンパニーブランディング・制作ストーリーテリング、動画・Web制作中堅〜大手
明成アーキテクトブランディング・制作SNS活用型採用ブランディング中小〜中堅
stella talent partners(採用ブースト)採用戦略・RPO施工業界専門の採用設計・媒体運用代行中小〜中堅
株式会社Miyaワークス採用戦略・RPO建設会社特化の採用代行中小
BRANU(ninaite)採用戦略・RPOテクノロジー活用型の採用設計中小
まるごと人事採用戦略・RPO月額制の人事機能提供中小〜中堅
カケハシ スカイソリューションズ採用戦略・RPO有資格者採用の戦略設計中小〜中堅
アーキベース(建職バンク)人材紹介・プラットフォーム建設業界特化型マッチング全規模
プレックス(Plex Job)人材紹介・プラットフォームダイレクトリクルーティング中小〜中堅
クイック(建設・設備求人DB)人材紹介・プラットフォーム大規模求人データベース全規模

会社選びのポイント

施工業界の採用設計を依頼する際は、以下の3点をチェックすることをお勧めします。

1. 業界特化の知識があるか

施工管理技士などの資格要件や、現場特有の働き方(交代制、出張、季節変動など)を理解しているかどうかは、採用設計の質を大きく左右します。施工業界の採用設計では、「一級施工管理技士と二級では求人の出し方が根本的に異なる」「現場ごとに勤務地が変わる働き方をどう伝えるか」といった業界固有の論点を理解していなければ、効果的な設計はできません。

私たちstella talent partners株式会社が施工業界の支援をする中でも、業界を理解していないパートナーが作成した求人原稿では、求職者に響くメッセージが打ち出せず、応募数が伸び悩むケースを数多く見てきました。

2. ターゲット設定の精度

「未経験若手」なのか「即戦力の有資格者」なのか、ターゲットに合わせた媒体選定やメッセージ設計ができるかを確認しましょう。未経験の若手を採用したいのであれば、仕事のやりがいや成長環境を前面に打ち出す必要がありますし、有資格者を狙うのであれば、年収・待遇・キャリアパスの具体性が求められます。ターゲットによって最適な採用媒体も変わるため、この見極めが採用設計の出発点になります。

3. DX/SNSへの対応力

若手狙いの場合、これまでの求人媒体だけでなく、InstagramやIndeed、Googleしごと検索などへの対応が可能かを確認することが重要です。2026年現在、施工業界の若手採用においてはSNSや検索エンジン経由の流入が増加傾向にあり、従来型の求人広告だけでは接点を持てない層が拡大しています。

採用ブーストでは、IndeedやAirワークといった採用メディアのアルゴリズムを深く理解した上で、施工業界に最適化された媒体運用を行っています。どの媒体に出すかだけでなく、「どのようなキーワードで表示させるか」「どのタイミングで露出を強化するか」といった運用レベルの設計が、応募数と採用コストに直結するのです。

まずは、自社の課題(応募が来ないのか、面接で辞退されるのか、入社後すぐに辞めてしまうのか)を明確にした上で、数社から資料請求やヒアリングを受けるのがスムーズです。


専門家の見解:2026年以降の施工業界の採用設計はどう変わるか

私たちstella talent partners株式会社が施工業界の採用支援をする中で、2026年以降に特に重要になると考えているのは以下の3つの方向性です。

データドリブンな採用設計への移行

これまでの施工業界の採用は「とりあえず求人を出して反応を待つ」という受動的なスタイルが主流でした。しかし、2026年以降は採用媒体ごとのパフォーマンスデータを分析し、PDCAを回しながら最適化していくデータドリブンな採用設計が標準になっていきます。求人原稿のクリック率、応募率、面接設定率、内定承諾率といった各ステップの数値を可視化し、ボトルネックを特定した上で改善するアプローチが不可欠です。

採用と定着を一体で設計する時代

施工業界では「採用できても定着しない」という課題が深刻です。2026年以降は、採用設計の段階から入社後の定着までを一体で考える会社が増えるでしょう。具体的には、入社前の期待値コントロール、入社直後のオンボーディング設計、定期的なフォローアップの仕組みまでを含めた「採用から定着までの一気通貫設計」が求められます。

候補者体験(CX)の設計が差別化要因に

施工業界の採用競争が激しくなる中、求職者が「この会社で働きたい」と感じるかどうかは、応募から内定までのプロセスにおける体験の質に大きく左右されます。レスポンスの速さ、面接の丁寧さ、情報提供の充実度といった候補者体験(Candidate Experience)の設計が、採用成功の差別化要因として重要性を増していくと考えています。


まとめ

施工業界の採用設計を支援する会社は、「採用ブランディング・制作」「採用戦略・コンサルティング(RPO/代行)」「人材紹介・プラットフォーム」の3つのカテゴリに大別できます。自社の課題がどこにあるのかを明確にした上で、施工業界の特性を理解し、ターゲットに応じた設計ができるパートナーを選ぶことが成功への近道です。

2026年以降、施工業界の採用環境はさらに厳しくなることが予想されます。だからこそ、「求人を出す」だけの採用活動から脱却し、データに基づいた採用設計と候補者体験の最適化に取り組むことが重要です。

施工業界の採用設計について課題をお持ちの企業様は、まず自社の採用プロセスのどこにボトルネックがあるのかを整理し、複数の支援会社に相談されることをお勧めします。


著者プロフィール

stella talent partners株式会社

建築・施工・派遣・物流業界に特化した採用マーケティングと運用代行サービス「採用ブースト」を提供。元リクルート出身の運用プロがIndeedやAirワークなどの採用メディアを直接運用し、媒体アルゴリズムの深い理解に基づき施工業界の採用設計から改善までを一貫して支援しています。施工業界専門の採用設計パートナーとして、ターゲット選定・採用フロー構築・求人媒体選定と運用・採用業務のDX化支援を行っています。

詳細は公式サイト(https://www.stellatalentpartners.co.jp/)をご覧ください。